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18. 働きかけ・挨拶

本章は、働きかけ表現と挨拶表現を定める。
Aemondoでは、相手や状況に対して行為の実現を促す表現を、広く 働きかけ として扱う。これには、通常の命令だけでなく、依頼、勧誘、婉曲、祈願などを含む。
また、日常的に用いられる挨拶・感謝などについては、通常文とは別に、短い 定型句 を認める。

18.1 命令

18.1.1 動詞の働きかけ形

Aemondoの働きかけ形は、動詞の基本形に -k を加えた形を基本とする。
したがって、自動詞 -i-ik、他動詞 -u-uk となる。
この形は、単なる強い命令だけでなく、文脈に応じて依頼・促し・呼びかけにも用いられる。

例文

Aemondo: Venik!
Esperanto: Venu!
日本語: 来てください。/来い。

例文

Aemondo: Leguk pa libro!
Esperanto: Legu la libron!
日本語: その本を読みなさい。

例文

Aemondo: Dormik!
Esperanto: Dormu!
日本語: 眠りなさい。

18.1.2 依頼 bonvoluk

丁寧な依頼は bonvolu を用い、働きかけ形では bonvoluk とする。
これは、相手に対する直接的な命令を和らげ、丁寧な依頼として表す形式である。

例文

Aemondo: Bonvoluk sidi.
Esperanto: Bonvolu sidi.
日本語: どうぞ座ってください。

18.1.3 勧誘 letuk

letu は勧誘・提案に関わる語であり、文頭の letuk は「〜しよう」「〜しましょう」に近い勧誘を表す。文中では提案・勧めの意味を担う。

例文

Aemondo: Letuk iri!
Esperanto: Ni iru!
日本語: 行こう。

18.1.4 婉曲 meluk

melu は、直接的に言い切るのを避ける、控えめな働きかけを表す。
文頭の meluk は、依頼・申し出・控えめな促しに用いる。文中では「〜したいのですが」のような婉曲的叙述になる。

例文

Aemondo: Meluk sidi.
Esperanto: Sidu, mi petas!
日本語: お掛けいただけますか。

18.1.5 祈願 puzuk

puzu は祈願を表す。
文頭の puzuk は、「〜あれ」「〜でありますように」に相当する祈願表現である。文中では「祈る」という通常の叙述動詞として用いる。

例文

Aemondo: Puzuk iri al cxielo!
Esperanto: Iru al la ĉielo, mi petas!
日本語: 天へ行けますように。

18.1.6 明示的命令 douk

命令の基本はあくまで通常の働きかけ形であるが、命令性をとくにはっきり示したい場合には dou を用いることができる。文頭の douk は、明示的で強めの命令を表す。

例文

Aemondo: Douk veni!
Esperanto: Venu!
日本語: 来い。

18.1.7 動詞以外の働きかけ

Aemondo では、動詞だけでなく、副詞にも簡潔な指示・促しを表す -ek 形を認める。
これは通常の叙述用副詞とは区別され、主に短い独立表現として用いる。

例文

Aemondo: Rapidek!
Esperanto: Rapide!
日本語: 速く。

例文

Aemondo: Silentek!
Esperanto: Silente!
日本語: 静かに。

18.1.8 禁止

禁止は、否定語を前に置いて表す
したがって働きかけ形の前に否定語を置くことで、「〜するな」「〜してはいけない」を表す。

例文

Aemondo: Ne venik!
Esperanto: Ne venu!
日本語: 来るな。

例文

Aemondo: Ne viduk pa tio!
Esperanto: Ne rigardu tion!
日本語: それを見るな。

例文

Aemondo: Ne parolik tro lauxte!
Esperanto: Ne parolu tro laŭte!
日本語: そんなに大きな声で話すな。

18.2 挨拶

18.2.1 基本方針

Aemondoでは、挨拶・祝福・気づかい・感謝など、日常的に繰り返し用いられる短い表現について、名詞句型の定型句を用いる。
これらは通常の完全文というより、場面に応じてそのまま発せられる慣用的発話として扱う。

18.2.2 定型句語尾 -n

名詞句型の定型句では、句末の最後の語にのみ -n を付けることができる。
この -n は、通常文法の格語尾ではなく、定型句であることを示す特別な句末マーカーである。
修飾語には付けず、最後の中心語にのみ付ける。

例文

Aemondo: bona tagon
Esperanto: bonan tagon
日本語: よい一日を。/こんにちは。

例文

Aemondo: multa dankon
Esperanto: multan dankon
日本語: どうもありがとう。

18.2.3 時間帯の挨拶

時間帯に応じた挨拶は、「良い〜」型の短い名詞句で表す。
この場合も、-n は句末の中心語のみに付く。

例文

Aemondo: bona matenon
Esperanto: bonan matenon
日本語: おはようございます。

例文

Aemondo: bona vesperon
Esperanto: bonan vesperon
日本語: こんばんは。

例文

Aemondo: bona nokton
Esperanto: bonan nokton
日本語: おやすみなさい。

18.2.4 祝福・気づかい

挨拶と同様に、祝福や気づかいも短い名詞句型定型句で表すことができる。

例文

Aemondo: bona vojazhon
Esperanto: bonan vojaĝon
日本語: よい旅を。

例文

Aemondo: bona tagon
Esperanto: bonan tagon
日本語: よい一日を。

18.2.5 感謝とその応答

感謝表現では、程度を表す修飾語を前に置き、句末の中心語に -n を付ける形が基本である。
一方、感謝への応答など、名詞句でない表現にはこの規則を適用しない。

例文

Aemondo: multa dankon
Esperanto: multan dankon
日本語: どうもありがとう。

例文

Aemondo: granda dankon
Esperanto: grandan dankon
日本語: 心から感謝します。

例文

Aemondo: Ne dankinde.
Esperanto: Nedankinde.
日本語: どういたしまして。

18.2.6 通常文との違い

定型句は、通常文の目的語句や省略文として厳密に解析する必要はない。
たとえば multa dankon は通常文の目的語ではなく、感謝を表す独立した慣用発話である。
同様に bona matenon も、挨拶として一括して理解する。したがって、この章の定型句 -n を通常文法全体へ一般化しない。

18.4 未確定事項・確認が必要な事項

  • 挨拶の定型句における句末 -n は、将来の見直しの可能性がある。